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シチュー 

2018, 10. 15 (Mon) 23:30


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シチューが迫ってきたことがある。小学校一年生の時、給食当番の子二人組がが運んでいた40人分のシチューの入った鍋をひっくり返して、それが僕に迫ってきたのだ。僕はちょうど教室に入ろうとしたところだった。鍋が横倒しになり、シチューがまるで津波みたいに迫ってきたのを憶えている。二、三歩後ずさったところでシチューに追いつかれ、左足が上履きごと足首までシチューに浸かった。白いクリームシチューの波の形と、その熱さ。

すぐに担任の女の先生が僕を抱きかかえ、水飲み場までつれていった。お姫様抱っこだったので、みんなに見られて子どもごころに恥ずかしかった記憶がある。今思い出したが、廊下で姉とすれ違い、抱きかかえられたまま「あ、おねーちゃん」と言ったはずだ。水飲み場で上履きと靴下を脱がされ、冷水で長いことやけどを冷やされた。この先生はもう亡くなった。交通事故だった。あとで母が、先生が僕が機敏にシチューを避けていて偉かった、と言っていたと聞いた。妙な褒められ方だ、とこれまた子どもごころに思った。子どもによる給食当番という制度は今もあるのだろうか。今も日本のどこかで子供たちは白い割烹着を着てシチューを運んでいたりするのかな。

ふと思い出した子どもの頃の記憶です。

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