地図を見て 

2017, 11. 02 (Thu) 09:30


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今年の春に区役所でもらったハザードマップがなかなか役に立っています。と言っても主に作品を作る上でですが、丁寧に眺めていくと思わぬ発見があったりして面白いです。地図はカラーで色分けされており、万一震災があった場合に被災する可能性の高い地域と低い地域が細かく示されている(高→赤、低→青)わけですが、そこから浮かび上がってくるのは先人達の知恵です。主要な建物や市庁など政府関係の構造物はすべて強固な地盤の上(主に中央区)に築かれており、地震や水害があっても罹災しにくい構造になっています。

札幌の場合かつて大名がこの土地を支配していたということもなく、まったくの荒野から明治新政府が都市計画に基づいて都市を作っていったという他の政令指定都市とはいくぶん異なる経緯がありますので、このへんの特徴がとくに顕著なのかもしれません。(京都を参考にし、街区画や道路が全部碁盤目になっているところとか)

もっとも「先人達の知恵」という点で言えば、長年にわたり歴代の領主や国主たちが心血を注いで治水や土木事業に励んだ末、現在の形となった伝統的な歴史を持つ城下町や都市の方が自然の脅威に対してよりセンシティヴな感性を持っているかもしれず、いずれも施政者は土地を治めるということに対して心を砕いてきたということなのでしょうね。

実際に住む人間としては、常々歴史のある城下町が持つその伝統や薫りのようなものがうらやましく、「いいなあ」と憧れたこともありますが、どんな土地であれ官庁の所在地、川の流れひとつとっても意味や歴史のないものなどないのだな・・・と地図を見て改めて感じ入った次第でした。(うー。あとはこれを何とか作品にいかしたい)


『蒼天航路』 

2017, 08. 27 (Sun) 06:30


先日、Kindleで『蒼天航路』を読んでいたら『三国志』のゲームがやりたくてたまらなくなってしまいました。以前もどこかで語りましたが、光栄の『三国志』は『信長の野望』と並んでぼくの青春時代のすべてを支配したと言っても過言ではない思い出のゲームで、それだけに様々な思い入れがたくさんあります。もっともここ十年ばかりはほとんどプレイしていなく、もっぱら追憶の中だけで楽しむに留まっていますが。でもふとした折りにふっとあのときの血が甦り、またやりたいな、と思うんですよね。

『蒼天航路』は一種異様な迫力があって面白いですよね。なにより若き日の曹操がかっこいいです。劉備ではなく曹操が主人公というのも当時はかなり斬新だったのではないでしょうか。ゲームで散々使った武将たちが、まったく新たな解釈を伴ったキャラクターとして登場するので読んでいて本当にわくわくします。ぼくは三国志に嵌まったあげく中国に二回行きましたが、当時の(まだあまり観光地化されていない)中国の街のたたずまいや雰囲気、そのとき感じた自分の感興などがページを捲るたびに甦ってくるようで、ただならぬ気持ちになりますね。また行きたいなあ。でも、あの頃の中国とはまた随分変わったんでしょうね。

いつか時間が取れたら久しぶりに最新の『三国志』を思う存分プレイしたいですね。もちろん使用する君主は曹操で!


『功名が辻』 

2017, 05. 17 (Wed) 00:30


最近『功名が辻』を読んでいます。のちに土佐一国の大名となる山内一豊を主人公としたこの物語はむしろその夫人である千代との夫婦二人三脚のストーリーとして有名ですが、凄く面白いです。中学生の時に初めて読み、以来どれだけ読み返したかわかりませんが、読むたびにしみじみと浸ってしまう魅力がある本です。とくに賢婦で名高い千代さんがかわいくて。

シミュレーションゲームをやっていると、正直山内一豊なんてまっさきにリストラの対象というか、よくて生産国の内政要員くらいにしかならない感じなんですけれど(最近は数値の見直しがあるようですが)、でもこの物語を読むと思い入れが出来、ちょっと戦場でも活躍させてやりたくなるから不思議です。もっともよく考えてみれば、あの激動の時代を天下人三人に仕えながら駆け抜け、常に勝者の側であり続け、最後まで生き延びた時点で(しかも最後は一国の太守となる)十分ただ者ではないですよね。

こんど機会があればじっくりゆかりの地を訪ねてみたいなあ。そして、いっしょにおいしい土地のものも食べられたら最高ですね。

久しぶりに 

2017, 05. 13 (Sat) 00:30

このところ思い出を掘り返すような作業ばかりしています。先日は久しぶりに母方の田舎に行き、子どもの頃よく通った郷土資料館へ行ってきました。そこは戦国時代の鎧兜などが複数展示されているいわば「穴場」で、その朴訥な館の佇まいとは裏腹に、その展示物の質の高さと貴重性で一部歴史好きにはなかなか評判の高い資料館です。もっとも子どもの頃はそんなことはまったく知らず、ただただ物珍しさと憧れでもって通っていただけでしたけれど。

ぼくらが子どもの頃は(今もそうなのかもしれませんが)こうした郷土資料館にはよく一人くらい「名物おじさん」的な職員さんがいらっしゃって、その博学と情熱がむくがままに子どもたち相手に熱心に歴史を語り、その知的好奇心や探究心に火を灯すような機会を与えてくれたものです。その記憶が生々しくあったものですから、入場チケットを買うときにためしに「展示物についての解説をお願いできますか?」と訊ねてみましたら、ごく若い女性の職員さんが現れ、丁寧に事物の説明をして下さいました。てっきりご年配の職員さんが応対して下さるのかと思っていたのでやや拍子抜けしたものの、いつの間にかそれだけ時が流れていたんだな・・・としみじみ。聞けば来年には新しい資料館がオープンするそうで、現在建設中とのことでした。そうなれば展示物も一層増えることでしょうね。

個人的には年来抱いていた疑問が払拭し、書く上での資料がまたひとつ揃ったので遠出してきた甲斐がありましたが、そうした事情を離れてもまたゆっくり訪ねてみたいと思えた場所でした。

真田丸完結 

2016, 12. 26 (Mon) 00:30


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渋くてかっこいい真田昌幸


先週、真田丸の放送が終わりました。

ぼくも一年間この大河ドラマを追ってきましたが、とうとう最終回を迎えることになりました。正直なところ終盤やや息切れした感がありますが、でもとてもいい作品だったと思います。こうして一年もの間、一つの作品を毎週楽しみにして視聴したことなどずっとありませんでしたから。

いちばん面白かったのはどのあたりのエピソードでしょうか。やはり序盤から中盤にかけてかなあ。信繁と信幸がまだ青年で、父ちゃんこと昌幸が一家の采配を振るっていた頃・・・時代で言うと武田家が滅亡し、真田家が北条、上杉、徳川といった強大な隣国の間で必死に生き延びる道を探していたあたりのお話は好きですね。魅力的な俳優さんが多数登場し、それぞれが味わい深い演技を見せてくれました。

大阪編もよかったです。小日向文世さん演じる豊臣秀吉が活躍するエピソードです。ぼくは映画『清洲会議』を見ていたせいか、小日向さんには丹羽長秀のイメージが強かったのですが、でも真田丸で描かれた秀吉も複雑な内面を抱えたとても魅力的な人物だったと思います。というか、この真田丸に出てくる登場人物達すべてに言えることですが、この作品の凄いところはそれぞれの戦国武将に対するそれまでのイメージをつくり変え、解釈の幅を広げたことにあると思います。

ぼくはこれまであんな気弱で頼りなげな上杉景勝を見たことがありませんでしたし、犀利な策略家としての横顔を持つ北条氏政もドラマで見た記憶がありません。きわめつけは真田昌幸です。その戦上手っぷりから、ともすればこの人物は過去のドラマの中では完全無欠な知恵者のような描かれ方をすることが多かったのですが(ゲームでも化け物並みの数値ですしね)、草刈正雄さん演じる真田昌幸は小戦闘こそ上手なものの、その時々の政治情勢に翻弄され、右往左往する政局観のない地方豪族として描かれています。大勢力に従わざるを得ないその地方豪族としての悲哀―――いわば英雄ではなく、戦国の世に生きた一人の等身大の男の姿を、草刈正雄さんは実に魅力的に演じています。そしてそのふたりの息子達。主演の堺雅人さんも素敵でしたし、その不器用で実直な兄を演じた大泉洋さんもとてもかっこよかったですね。(水曜どうでしょうの新作が楽しみです)

ぼくにとって大河ドラマは歴史が好きだった子ども時代は夢中になって見ていたものの、いつの頃からか次第に関心がなくなり、最近ではさっぱり見なくなってしまっていた番組でした。ですがこうして久しぶりに見てみるとやはり面白かったですね。一年という長い時間をかけて描かれる歴史物語というものの魅力に改めて気づかされたような気がします。

真田丸、本当に楽しませてもらった一年でした。