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地震 

2018, 09. 08 (Sat) 20:30


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清野静です。すみません。先日の地震の影響で札幌では停電が続いており、パソコンに触れられない状況でしたが、昨夜ようやく電力が戻り、なんとか灯りの下で生活できるようになりました。地震以来、こちらのブログもストップしていましたが、ぼくは幸い怪我なく元気でおります。心配して下さった方、どうもありがとうございました。それと申し訳ありません。余震なども含め、北海道全域が以前の日常に戻るにはもう少し時間がかかるかと思いますが、いつものようにマイペースで受け止め、ちょっとずつ前へ進んでいきたいと思っております。


以下、地震のあった当日のことについて書かせていただきます。


地震のあった当時、ぼくは自室で起きていました。いつものように深夜原稿にむかい、どうにか一段落ついたところで、村上春樹さんの『走ることについて語るときに僕の語ること』をぱらぱらと読んだあと、Amazonプライムのドラマ『トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン』を見ていました。最近何の気なしに見始めたドラマですが、とても面白くて続けて見ていたんですよね。その夜はエピソード1の第三話を途中まで見ていたのですが、ラスト近くで突然すさまじい振動が部屋全体を襲い、テレビがばんと途切れました。たしか3時過ぎだったように記憶しています。ぼくの実感では初期微動を感じる間もなく、いきなり強い横揺れが襲ってきた感じでしたが、震源地が近かったせいかもしれません。地震に遅れること数秒、激震のさなかスマホの警報のアラームが鳴り響いたことを憶えています。

机の上のパソコンのモニターは水平になってすっ飛んでいますし、上からはばらばら物が降ってきます。本とCDは瞬時に棚から溢れて壊滅状態ですが、正直そのときはそんなことをかまう余裕などなく、ただ体を支えるのが精いっぱいでした。それでも人間妙に冷静な部分があるのか、とっさにテレビ横のスピーカーが倒れないように手で押さえていたりしたのが、後で振り返ると我ながら滑稽でした。

振動が収まり、真っ暗な中手探りでランタンを捜し、灯りを付けると部屋の中は足の踏み場もないくらいの惨憺たる有様です。でもああいうときって人間出来ることをするものですね。台所へ行き水とガスが生きていることを確認した後は、明け方までずっと散らかった部屋と書斎の片付けをしていました。CDのケースの破片とか絨毯に残っていたら痛いですし。明け方近くになってどうにか見つけてきたラジオを付けると(東日本大震災の時、防災製品の一環として買ったまま放置していた)、そこでようやく震災情報について触れることが出来ました。テレビは見られませんし、スマホは繋がらないことが多い上にバッテリーの消費を考えるとなかなか使いづらく、今回ラジオが唯一の情報源となりました。


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電気はしばらく復旧しなかったため、夜はランタンのみでの生活となりました。十分にわかってはいた、いや、想像はしてはいましたが、やはり灯りのない生活は不自由ですね。これまで何度も映像などで観てきた被災者の方たちと同じように、今度は自分がそれを経験する番となりました。

ぼくの場合、自宅が無事だったので避難所には直接お世話にはなりませんでしたが、より震源地に近い地域にお住まいの方は、もっと不安な夜を過ごされているかと思います。なにせ情報が全然入ってこないので、状況の全体像というか映像がいまいち頭に浮かんでこないんですよね。ようやく今回の地震の詳細や全体像がわかったのも、翌日の朝刊を目にしたときですし。(今、ようやくテレビのニュースなどで当日の地震の追体験をしている。当事者なのにっ)


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今回の地震を体験しながら脳裏を巡ったのは、やはり書き上げたばかりの自分の作品のことでした。ぼくは今年の春に『ミクと時のひなた』という作品を発表いたしましたが(現在カクヨムサイトで公開中)、これは北海道・札幌市近郊にもし地震が発生したら・・・という着想の元、昨年2017年5月から執筆を始めたタイムスリップSF恋愛(?)小説でした。

この作品は主人公の女の子が両親の若い時代にタイムスリップしたあげく「初音ミク」を名乗って未来を変えようとする、というとんでもない小説でしたが、ぼくにとっては「地元・札幌を舞台にする」というテーマがあると同時に、その大状況として地震や震災状況を描くという大きなチャレンジに挑んだ作品でもありました。『地震』というテーマは我々日本人にとってもっとも身近な、そしてもっとも大きな厄災であるだけに、それを物語内で扱うことにはかなりの覚悟が求められます。ぼくもまた、これを描こうと思うまでにはかなりの葛藤がありました。自分の力量的にほんとうに書けるか、不安でしたし。

その結果については皆様に拙著をご一読いただくほかないわけですが、まさかその一年後、実際に札幌で地震が起こり、主人公と同じ事を自分が体験するとは夢にも思いませんでした。や、想像(妄想)力とは恐ろしいものです。むろん、『ミクとき』内の設定では地震の震源地は北海道・石狩地方南西部、現実では震源地は北海道・胆振地方中東部、物語内のマグニチュードは7.1、実際のマグニチュードは6.7と違いはありますが、北海道が震度7クラスの地震に見舞われ、札幌に大きな被害が出るというストーリーの骨幹はほぼ同じです。無能非才の身、昨年の夏、机の前でうんうん呻りながらワープロ原稿にむかっていたぼくには予想だにつかぬことでした。もっとも、ぼくは主人公のひなたほど過酷な体験をしたわけではありませんが・・・。


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しかし同時に、実際に体験しなければわからない、想像力だけでは決して届かぬ領域があるのだ、ということを理解し、骨身にしみる結果となった今回の震災でもありました。『ミクとき』はぼくなりに精いっぱい、持てる力を注ぎ込んで取り組んだ作品ではありましたが、現実にこうして大きな地震に遭遇してみるといくつかの瑕疵、まだまだ甘い部分が散見されるように思います。なにより畏怖するしかない自然災害の猛威にはほんとうに言葉を失いました。世界には「言葉の届かぬ領域」がある―――。そうした積み残した宿題に気づくことが出来たという意味で、今回の地震はぼくにとって大きな体験となったように感じています。

北海道ではいまだ電力の戻っていない地域がありますし、大きな余震の可能性も残されています。安否が気遣われる方がご無事であることを祈りつつ、ぼくも「被災後」の生活を進んでいきたいと思います。

先ほど近くのスーパーへ買い出しに行きましたら、お店の入り口の前に長蛇の列が出来ていました。スタンドではガソリンは「お一人1000円まで」の立て札。道ではリュックやカートを下げ、お水を求めて歩く多くの人たちとすれ違います。そんな中、時々響く公園で遊ぶ子供たちの歓声・・・。街の日常はまだまだ回復の緒に就いたばかりですが、子供たちの世界はなかなかどうして逞しいようです。明日会える子供たちの元気な笑顔を楽しみにしつつ、ぼくもがんばります!





2017年 

2017, 12. 31 (Sun) 23:30


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少し気が早いですが


今年一年、どうもありがとうございました。

本当に早いもので、2017年も今日で最後となりました。いつもこんなささやかなブログを観ていただいてありがとうございます。ぼくの日常が綴ってあるほかは(それも、ほとんど毎日変わらない日常)本当に変化の乏しい、日々の雑感をしたためたものではありますが、それでもこうして続けてこられたのはひとえに皆様のおかげです。あらためてお礼申し上げます。

個人的なことを申しあげると、今年は年間通して執筆に励んだ年となりました。具体的な日付で言いますと、三月の終わりぐらいに構想をまとめ、以降はずっとひとつの作品に取り組んでおりましたので、九ヶ月から一年をほぼまるまる執筆期間にあてたことになります。これはぼくの物書きとしてのキャリアの中でも、比較的長い執筆期間です。むろん執筆期間の長さは決して作品のクオリティを担保するものではありませんし、長く時間を費やせば良い物が書けるというわけでもありません。ですがこの2017年は、ぼくにとってたいへん充実した一年であると同時に、心から楽しかったと思える一年でもありました。

その「楽しさ」はもちろん日々机にむかうことから生まれているわけですが、この手の幸福を味わったのはおそらくかなり前―――『時載りリンネ』の第一巻を書いていた時以来、つまり、ぼくがプロデビューする以前にまで遡るかと思います。

思いを綴ること、記憶を掘り起こすこと、それらをふまえながら白い原稿用紙の上に(比喩です)己の文体で物語を作り上げていくこと……。好きでなければ続かないし、誰に頼まれたわけでもないこの作業を毎晩している間、ぼくは何度となく躓き、苦しみ、もだえ、うんうん唸りながら七転八倒を繰り返しましたが、でもそれすらも、純粋にひとつの物語を語っていく楽しみの前では瑕瑾にすらなりませんでした。

「作家は処女作にそのすべてが現れる」などと言うように、そうした刻印は、本来物書きがその第一歩を踏み示す第一作にしか印せぬものですが(その意味で言えば、確かに『リンネ』一巻にはぼくのすべてが詰まっています)、作家として生き始めて十年になろうかというこの時期に、再び処女作を書く時のような情熱を持って今作に取り組むことが出来たことは、ぼくにとってもひとつのおどろきであり、発見でもありました。書き終えた直後の今の段階ではまだなにも申しあげられませんが、個人的な実感で言うならば、今作は間違いなく『ささやきのクローゼット』を超えて、ぼくの個人的なベストになるかと思います。作品のタイトルや具体的な内容については、もう少ししたらまとまったお知らせできるかと思いますので、今しばらくお待ちいただきたく存じます。

ここ数年は、ぼく自身、こうして物書き活動をさせていただく中で一つの踊り場に出たと申しますか、視界の開けた広々とした場所に佇み「さて、これからどの方角へむかって歩いて行こう」と己の行程を顧み、創作について考える機会となりました。そんな中、思いっきりリミッターを外して、ひとつの解答として自分自身のすべてを注ぎ込んだ作品を書き上げることが出来たことをとてもうれしく思っています。繰り返しになりますが、2017年のぼくのひとつの成果として、この作品を皆様に読んでいただけたら……と願っています。

そうそう。この場を借りて、もうひとつお礼を申しあげます。いつもファンレターを送っていただき、本当にありがとうございます。ファンレターはスニーカー編集部さん経由でぼくの元に届けていただくのですが、送られてくる都度、いつもうれしく拝読させていただいております。

あたたかく、心のこもったファンレターを読むたびに「もっとがんばらなきゃな」という思いにさせられます。お手紙を読むと、だいたい小学生ぐらいの頃に『リンネ』を読んで(早熟ですね)、現在は大学生や社会人になられている方が多いようで、時を経ても今もなおこの作品世界やキャラクターたちに深い愛情を注いでいただけることを作者として本当にうれしく思います。筆の遅いぼくですが、皆さんからの励ましを糧にもっともっと努力したいと思います。(ただ、ほとんどのすべてのお手紙の締めが「リンネの続きを楽しみにしています。」という言葉が記されているのが結構プレッシャー……)本当に、こんなに愛してくれてリンネや久高は幸せ者です。ルウや遊佐、G、ねはんも。彼らがぼくの中から消えることはありません。あの子たちのげんきとわくわくパワーに負けないように、ぼくもがんばります!

このブログについても少し書かせていただきます。このブログは一応毎日更新しておりますが、執筆に追われている時などは十分に書くことに時間を取ることができず、数行書くのがやっと、ということもたびたびでした。

自分としては別に読者の皆様を楽しませるようなことを書くことも出来ないし、もう止めようか……と思ったことも何度かありましたが、せっかく皆様とこうして直接ふれあい、また思いを発信できる場でもありますので、今後も続けていきたいと思います。内容は相変わらずかと思いますが、日々の雑感や食べ物のこと(けっこう多い)、映画の感想など、そして新作情報なども随時更新してまいりますので、今後ともよろしくお願い致します!

過ぎてみればあっという間だった2017年ではありますが、皆様のおかげで大変充実した、楽しい一年でした。来年もまた宜しくお願いします。どうぞよいお年を。

2017年12月31日 清野静


完成! 

2017, 12. 26 (Tue) 23:30


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初稿上がり。ただちに加筆修正に入ります。とりあえずちょっとほっとしたけど、まだまだ上り坂は続きそうです。ここで安心しちゃうとまた気持ちを持ち上げるのに大変なので、気を緩めずにがんばります!(と、言いつつもちょっぴり安堵している自分がいる・・・)

自分へのご褒美としてシュークリームを一個食べます。


見に行きたい 

2017, 12. 17 (Sun) 23:30

今日も終日執筆でした。夜にお好み焼きを焼いて食べたくらい。さすがに部屋からずっと動かないでいると、書くことがありませんね。『スターウォーズ 最後のジェダイ』が遂に公開されました。見に行きたいなあ。なんとか見に行けるよう、ペースを速めてがんばります。



結末 

2017, 12. 15 (Fri) 22:30


物語の「結末」をどうするか、というのはいつも難しい問題です。シリーズものというか、予めお話の続きがあるとわかっている作品でしたら、きりのいいところや読後感の良いところで筆を置く、ということが可能ですが(というかページ数という厳密な制約がありますし)、これが書き下ろし作品―――最初から最後まで設計図を引いて、「ここまで書いたら完成」と自分で定めた作品の場合、いざそこに辿り着いてみると果たして此処でいいのか、もう書き残したことはないのかと、己の中をさらい、クライマーが高みからこれまでの行程を振り返るような心持ちにさせられます。やはり少しでもいい作品にしたいですから。あとは、未練と愛情ですね。まがりなりにも一年近くつきあってきた世界・登場人物たちと別れなければならないタイミングが訪れた時、つい彼らと別れがたい気持ちが生じます。(やはり感情移入しますしね)ですがここはあくまで作品の完成度のみを主眼にいれ、それ以外は些事としてきっぱり決別しなければなりません。

・・・などと書いておきながらかれこれもう二週間近く「おしまい」部分を書いているわけですが、言うはやすし、行うは難し、というのは本当のようです。塹壕掘っての一進一退が続いています。でも本当にあと少しなので、気合いを入れて頑張ります。