音楽と読書 

2018, 05. 07 (Mon) 22:30


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中川右介さんの『冷戦とクラシック』を読む。知っている名前がいっぱい出てきて面白い。「ああ、この人はこういう文脈の中で弾いていたのか(演奏していたのか)」ということを今更ながらに知ることが出来て、これまで以上にCDを聴くことが楽しくなったような気がする。『カラヤンとフルトヴェングラー』もそうですが、近・現代の歴史的な文脈の中にクラシック音楽を据えると、まるで急に高いところに出たみたいに視野が広がり、ぐっと見晴らしがよくなりますね。

併せて『第九』も買って読んだため、Amazonで買いまくった第九のCD・DVDがあふれかえることに。ううん。いくらなんでもちょっといい気になって買いすぎたかも。でも演奏の聞き比べって楽しいですよね。しばらく楽しめそうです。

読書が楽 

2018, 04. 24 (Tue) 20:30

筋肉痛でしばらく寝ていました。うう、情けない。昼前にだいぶ楽になってきたので、起き上がってしばらく書き物と雑務。買ったままずっと積みっぱなしだった岡田暁生さんの『西洋音楽史』を読む。これがめっぽう面白くて一気に読んでしまいました。やっぱり眼鏡を変えてから読書がずんと楽になった気が。この調子で今月中にもっとたくさん本を読みたいです。


偉才二人 

2018, 03. 26 (Mon) 20:30


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若山富三郎、勝新太郎兄弟について語った山城新伍さんの『おこりんぼ さびしんぼ』を読了。抱腹絶倒のエピソードの数々に読みながら思わず笑い声が出る。特に若山富三郎のエピソードが面白くてたまらない。シルクハットの大親分の役柄そのままで。もうこんな役者さんは出ないのだろうなあ。続いて勝新太郎さんの自伝、『俺、勝新太郎』を手に取る。こちらもいい。これまで見てきた座頭市や兵隊やくざがもっと豊かなものに思えてくる。毀誉褒貶のあったおひとだけど、やっぱり素顔は天才としかいいようがない。大映作品をもっともっと見返したい、と思った一日でした。

本の季節 

2018, 03. 25 (Sun) 20:30

最近読書がはかどります。時間がなくてずっと読めなかった反動からか、近頃は本ばかり読んでいるような気がします。映画の本が多いですが、こんな時にしか読めない難しくて分厚い本を腰を据えてじっくり紐解くのもいいですよね。その中でも面白かったのはやはり『サピエンス全史』(ユヴァル・ノア・ハラリ著)でしょうか。上下巻のハードカバーですが、刺激的な読み物で一気に読んでしまいました。大変な学者さんのようですが、文章に通底する辛辣でありながらそこはかとないユーモアと仄かな優しさが胸を打ちます。


美しく、狂おしく 

2018, 03. 22 (Thu) 19:30


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映画評論家、春日太一さんの『美しく、狂おしく』を読了。これは女優、岩下志麻さんのロングインタビューですが、面白くて一気読みしてしまいました。岩下志麻さんと言えばお若い方には一般的に「極妻」のイメージが強いでしょうが、ぼくはどちらかといえば古い作品から邦画の世界に親しむようになったものですから、なんといっても小津安二郎監督の『秋刀魚の味』や中村登監督の『古都』の岩下さんがイメージに強く焼き付いています。とにかくすらっとしていて綺麗な人、という印象ですね。

本書ではいつもの春日さんらしく、本当に丹念に彼女のそのフィルモグラフィーとキャリアを追っていくわけですが、とにかく佇まいだけでなく、性格も内面もとてもしっかりとした端正な女性だったんだなあ、というのが一読しただけでよくわかり、すっかりファンになってしまいました。

類別すれば「憑依型」というのでしょうか、すっかり役柄に入り込んでいまう自分の演じ方を、質問に応じてどちらかといえば淡々とした調子で語っていくその語り口は、内容がすさまじい密度と濃さなだけに、かえって読む者に凄みを与えずにはおかない迫力に満ちています。じっさい、これだけの名作に彩られたキャリアの持ち主は一体何人いるだろう・・・と考えると、その出演作を挙げるだけでそのままここ半世紀の日本の映画史を語ることになってしまうのこの大女優の存在感をあらためて感じずにはいられません。

読了後、あわててまだ観ていない作品をチェックしてAmazonでDVDを注文しましたが、これで当分の間、観る映画に困らずに済みそうです。それにしても綺麗な人っていうのは、いつまでたっても綺麗なままなんだなあ、と改めて感じ入った一日でした。